2015.3.9
昨日の雨。
覚悟をして出かけたものの、
予想していたほどの寒さは感じず、
「うん、確実に春へ向かってるんだ、よし!」と、
丸くなっていた背中を少し正して歩く午後。
20年来、
上京して初めて私そのもので心を開いた友人に会いに。
初めて会ったあの日、
「この人と色んな話がしてみたい。」と強く引き寄せられた事を、
いつも鮮明に思い出せる。
テーブルを挟んで向かい合う彼女は、
あの頃から変わらず、私が好きな空気を纏っている。
何故か、彼女の前だと安心した子供の様になれる。
色んな選択をして、
それぞれの事情や思いを持ちながら暮らしていても、
ずっと変わらず、本質の部分を感じ取って向き合ってくれる。
理解しようと考えるのではなくて、
噛み砕いて相応しい言葉を見繕うでもなくて、
まるで白い画用紙にデッサンしていくように、
迷わず色をのせていくように、
耳を傾け語りかけてくれる。
お互いの心を、
一瞬でひとつの絵に描きあげる様な時間。
この不思議な感覚は、なんだろう?
当時から抱いていた何かが、
こうしてしっかりとした景色になって感じ取れた事が、
嬉しくて大切で仕方なかった。
なるほど...
答え合わせをする様に、
これまでたくさんの言葉を交わして来たのかもしれない。
彼女とは、
会話の速度、間や温度までも、
気づけば自然で居られる。
会話の糸口を見つける感覚が似ているのだろうか。
私が心底、
心を寄せている大切な人には、そんな共通点がある。
それを確信した。
遠くに居ても、
会えなくても、
思うだけで安心に包まれる。
例えるなら、
クジラの海の心の様な人。
遠くから呼んでも、
ちゃんと届いてる気がする。
「大丈夫だよ」って声を聞くかの様に、相手の心を感じられる。
彼女と会えた日は、
命の粒々がちゃんと流れ始める。
私の中に、
そんな人が居てくれることを、
今日また抱きしめている。
彼女はいつだって、
「この街で、最初に私を見つけてくれた人」
なのだから。
大丈夫だよね。
2015.3.10